2015年5月10日日曜日

小坂の滝 濁河川本谷編 その1

「小坂のは落差5m以上の滝が216ヶ所あります。」こう言ってしまえばたった1文で終わりますがこの1文の中に沢山の人の関わりドラマが存在していることを僕は知っている。

遡る事約30年。僕が生まれた年に「小坂の瀧」という1冊の写真集が発行されました。小坂の瀧魂というこのブログタイトルはこの写真集から引用しています。「滝」じゃなくて「瀧」ってとこが大事です。昭和56年から始まった上野銀松氏を筆頭とした小坂の瀧調査委員会による御嶽山麓に広がる未遡行の谷の踏査により160を越える滝を確認しました。10年後に第二回調査が行われ200を越える滝を発見しました。これによって小坂にある滝の数が明らかになったのです。その後時は立ち2006年これらの滝を資源としてとらえ、また、案内人の要望の高まりなどを受け桂川淳平氏がNPO法人飛騨小坂200滝を設立した・・・。

というストーリー。これでもまだまだ短いくらい。ここに携わった一人ひとり、のべ何名くらいの方がたずさったのか。厚みがハンパない。この「小坂の瀧」に込められた「魂」は継承していく必要がある。そんな思いから微力ですが活動続けているわけです。


というわけで、小坂の滝めぐりだけではわからない小坂の瀧の魅力をこのブログを通じて発信していきたいと思います!僕自身まだ216か所行ってないので自身の備忘録も兼ねて遡行記録も紹介します。まずは第一弾。僕の中でも特別な思い入れのある谷、濁河川本谷編。じつはこの谷の下流部には落差5m以上の滝はありません。つまり216ヶ所には入っていないんですね。でもここには思いもよらぬ大冒険がつまっていました。


中学生の頃、巌立までチャリで行きそこから河原に降りる。巌立を挟んで三ツ滝の遊歩道と反対に伸びる遊歩道の無いその谷には何があるのか知りたくなった。好奇心だけでその谷を遡ると今まで経験したことの無い大きな角のある転石が散らばる河原にビビリ、動物的直観で「これ以上はやめておこう」と引き返した。そんな思い出のある谷だ。大人になり、ますますその場所への関心が高まり「あの続きを見たい」と強く思うようになりそのすべを探り出した。行きつく先は「沢登」というスタイル。これが僕と沢登の最初の出会いでした。そのためにはまず装備!という胆略的決断で初任給のほとんどを費やし装備を整えることにした。沢タビ、半袖のウエットスーツ地のTシャツ、指ぬきグローブ、沢登用ザック、そのほかに当時ハマっていたキャンプ用品(テントやタープ、コッヘルなどなど)十数万円くらい使い込んだかな(笑)
そんなこんなで自分なりに試行錯誤し「完璧」な装備で沢登を迎えることにした。相棒は頼れる同僚(人生では先輩)のK山氏。これから先いろんな冒険を彼と共にすることになる・・・。
お互いに完璧と思われる装備と心構えでその谷に対峙する。さあ冒険の始まりだ!

ということで長くなりそうなので続きは次回!こうご期待。

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