2022年1月14日金曜日

南アルプス・鳳凰山・野呂川シレイ沢

【日にち】2021年9月27日(前泊・日帰り)
【場 所】野呂川シレイ沢(3級)※実際の印象は2級
【メンバー】ヤマP・ホラくん・クマ

まん防&緊急事態宣言の影響で仕事がなくなったので(それを口実に)この秋はがんがん沢登りへ行ってきました!思えばこの仕事始めてからせいぜい年に1回遠征できればいいほうだったな~。てなわけで今回は沢登を始めた頃より目にしていたその名前。小坂ではほぼお目にかからない(椹谷水系孫八谷付近で見られる)花崗岩で構成された谷。一般的には花崗岩はフリクションが良く、ラバーソールがバチ効きの印象。ただ、晩秋、かつ、西向きの渓をなめていました!!

夜叉神峠(駐車場)に前泊。今回は時間もないので日帰りでサクッとこなします。メンバーはいつものヤマPに加え、夏のスーパー助っ人ホラくんも参戦。
朝一の広河原行のバスはほぼ満車、その中でご老人が人込みをかき分けながら料金収集していた。(現金)シレイ沢橋で下車したのは僕らだけだった。
橋のたもとでそろそろとおのおの準備。しっかしまぁ、朝日が昇らないので寒い!「本当に今から沢登るのかよ~」って始まる前はいつもそうなんですけどね。
さてと、入渓はシンプル。シレイ谷橋から懸垂下降1発。後にも先にもロープ使ったのはこの1回だけ。30m持ってきたけど意味なかったなー。


入渓直後の連瀑帯。まさかこの傾斜でずーっと最後までとはこの段階では思ってもみなかった。最初のとっかかりの滝を左から巻き気味に登りいっきに堰堤まで右岸を登る。水線通してみるもヌメヌメ、もうすでに酷なレベル。

ここらあたりは基岩が黒くて花崗岩な感じではない。だから滝つぼには上流から流れてくる花崗岩の砂で滝つぼが白いのが特徴的。傾斜のゆるめなナメ滝を文字通りナメてかかったらヌメリにやられてひやひやしながら前進フリクションで辛くも抜ける。ここで確信。「滝の直登は今日は無し!」

下流部は滝のオンパレード。多段の滝が多い印象だったけど時折端正な直瀑もあらわれ目を楽しませてくれます。巻はどれも明瞭で危険なところはほとんどない印象だった。数年前のレポでは谷がずいぶんあれて倒木だらけと聞いていたので実際に行ってみるとそんなに倒木の印象は無く、むしろすっきりしていたのできっとこれは
ここからはしばらく滝・滝・滝をお楽しみください。









標高2000m付近から渓相が変わります。そう、花崗岩がようやくお目見え。岩は黒くて、おまけに西向きの日の当たらないうっそうとした針葉樹林帯を抜けてきたのでこの開放的で白い沢床にちょっとテンション上がります。



2段30m滝は観光スポット。これぞ花崗岩の滝!って感じのキレイな階段状の滝でした。

そして2段30m滝を左から越えるとお待ちかね!この沢のハイライト、「まるで王様のような滝」と描写されるような名瀑・白い滝30m(王様のわりに貧相なネーミングですな)まじかにそれを見ると王様より女王様的な印象。確かにステキな滝であり、間違いなくこの谷の白眉。ただここの巻きはあまり美しくなかった。左から小さく巻きたかったが花崗岩の風化したような基岩にうっすら土壌が載ってるもんだから滑る滑る。割と傾斜もあるので落石にも注意が必要。思っていたよりも高く巻いて落ち口に降り立つ。


白い滝の上流はまー、特筆すべき滝は無し!奥の二股以降は水も枯れ岩質もボロボロ。1か所オーバーハングのボロ壁を登るのにホラ君のお助けヒモのお世話になった。高巻きしたヤマPは結局降りられず大巻きする羽目に。その先で谷はほぼ壁になり直登は困難なので右岸巻き。ただこれが岩雪崩の痕跡なのか激しく沢沿いの森林が崩壊していて登りにくく地獄の高巻きを強いられた。巻き終えるさらに沢は傾斜を増し、おまけにざれざれで登れたものじゃない。そのまま樹林に逃げるも稜線まではずーっと急傾斜しかも足元はグザグザ。もう勘弁してよー!となってもまだまだー!おまけにガスってきたしいいとこ無しですわ。

稜線にたどり着くと紅葉が目を楽しませた・・・、とうよりままず感じたことは、あーしんど。一応ピークである観音岳をピストンし、昼食。ぼーっと晴れるのを待ちながら過ごしたけれど結局景色は望めなかった。そうなれば長居は無用!下山口の夜叉神峠目指して駆け下る。けどまたこれが長い!半ば辟易しつつもゴールしたときには達成感で満たされたのでした。

2022年1月12日水曜日

何度でも、濁河川兵衛谷

 もう何度この谷と戯れたのか。でも何度訪れても胸は高鳴り鼓動は押さえられない。いつまでも色あせることのないような初恋。それが僕にとっての濁河川兵衛谷だ。訪れるたびに新しい発見がある。

2019年しまとーと巡った被災箇所の点検遡行。そして2021年、洞くんを誘って完全遡行に臨んだ。

今回はあれこれ細かく記す必要はない。やっぱり好きです、兵衛谷が。小坂に生まれてよかったと思うその理由のひとつ。かの谷は僕に与え、包み、そしていつも最後に問う。「お前は何者か」であると。僕は答える。「あなたの子」と。その純粋で素朴で一見無意味な問答を繰り返すが如く幾度もこの谷へと、足を運ぶのである。