2017年6月27日火曜日

故郷と呼べる場所へ

小坂の瀧に魅せられて30余年。生活の全てを捧げてはや5年。ときの流れとは早いものですね。


幸いにして生きています。そして活きてます!


ただ年を重ねるにつれ多忙は極みを重ね、殊更昨年は小坂の谷に(シャワクラ以外ほとんど)いけないという本末転倒な結果を生みました。


「これではいかん」と思い悩んでいた最中、常連さんから「曲滝の滝壺に立ちたい!」とか「王滝川の百間滝に行きたい!」とか「ツガ谷のF1に行きたい!」などなど小坂(周辺)の滝行へのリクエスト昨年来来多く頂きました。


「きっと谷に呼ばれているんだな」お客様の声は谷の声。「お前、最近顔出し取らんな。たまには帰ってこい」そう谷に呼ばれた気がしました。


おもい返せば山には行ってるけど小坂の谷に全然行けてなかったな~と振り返る。


ガイドのスキルアップのための遠征山行や講習受講などで頻繁に遠方の山域に赴く事はあれども地元を置き去りにしていたこの頃。


というわけですべての行事が落ち着く6.7月を「小坂の沢祭り」と勝手に位置づけ久しぶりにどっぷり浸かってきました!※これもひとえに常連さんの引き合いのおかげに他なりませんが(汗)


まずは久しぶりの椹谷。写真撮影を目的としたツアー。


撮影には1滝1時間なんてざら。この日は朝6時に出発して帰着は18時。実に12時間。


さらに別の日には久々の兵衛谷の”番人”曲滝へ。


日帰りかつ、そのものを目的とした遡行は初めての機会に恵まれこちらもじっくり様々な角度から観察。


これまた1滝になんと2時間半!まったくもって飽きないのが不思議!!思い思いに過ごしてもあっという間という印象。これが滝の魔力なのか・・・。


また新しい境地に入り込んだように感じています。


今までの自分はあくまで”遡行”が目的であり、その先のGOALに向けて進むことが重要。


たとえ美しい滝に出会ったとしてもそこに留まるという選択肢は無かったし、むしろ一刻も早く弱点を見出し越えなければという強迫観念すら感じているくらいだった。


だから正直こんなにも滝の前にいられるものかと思いました。


しかし実際に居ついて見るとどれだけでもいられるのです。不思議なくらい。


陽の動きで刻一刻と変わる滝の表情に見とれ、時間つぶしと思って持ってきた読みかけの本は結局開かれることなく一日終わりました。それほど釘付けにする光景が目の前にはありました。


僕にカメラを操る才能があればその感動の100分の1くらいは伝えられるのだろうけど残念ながら記念撮影くらいしか能が無いのでスミマセン。


とても言葉では言い表しがたい光景、その変化する景色を体験することが出来ました。有難し。


やはり先を急いでばかりでは決して気が付けないこの感覚。


自然の中に深く入り込み、一体となる感覚。人間の心拍は自然のリズムとは決して協調できないほど早いビートを刻んでいるけれど、時にはそれに歩み寄る、そんな気持ちも大事なのではないかな。そんなことに気が付かされました。


改めて小坂の瀧の魅力、もとい、魔力に憑りつかれたことを認識したそんな今日この頃でした。






通常のツアーでは立ち寄らない椹谷のチョックストン美瀑

見上げる空は漆黒×新緑のドラマチックな絵画の様。

曲滝の小滝を乗り越え立ち入ったその滝壺にはまさかの光景が!!そこに立った者にしか見えない絶景が待っている。



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